MYSTERY RANCH Maniac

ミステリーランチの研究ブログ

CREW CAB の細部

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前回に引き続きCREW CABについて。

 

 

 

筆者の所有するものは、以前BEAMSが別注し販売していたもの。本当はCoyoteがよかったのですが、当時はどこにも在庫がなかったため我慢しきれず購入。

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かなり突飛なオレンジ色ですが、これは米国で一般にSafety OrangeあるいはBlaze Orangeとか呼ばれる色で、別にBEAMSが提案した色というわけではありません。おそらくハンターの為に用意されたと思われるカラーオプションで、実際に使用されている写真や中古で出回っているものを見る事ができます。現在でもオーダー可能なのかは不明ですが、当然のことながらとにかく目を引きます(汗

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↑背面。ほとんどすべてがオレンジ色ですが、バックルやナイロンテープはFoliageになっており、付属するNICEフレームもFoliage。

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CrewCabは主に4つのコンパートメントからなり、それぞれを展開・接続するとパック中央に巨大な積載スペースが現れる特殊な変形(transform)バックパックです。コンパートメントの組み合わせを工夫する事で、圧縮時には20L前後のデイパックとして、展開時は様々な形態の荷物を運搬する事ができます。

 

  • メインコンパートメント

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メインコンパートメントは中央部で高さ40cm、幅25cm、マチは約10cmで容量は単純計算で10Lほど。バックパックの中でも小型なトレラン用やキッズサイズ程度の大きさしかありません。

ジッパーはスライダー2つで両側に向かって開けるタイプで底までほぼ180度フルオープンします。

マチはフロント(蓋)側で6cm、バックパネル側が4cmとフロント側に広く取られており、皿の上にラップをかけるようなイメージで荷物が入ります。そのため、ラップトップなど板状のものをセオリー通りバックパネル側に入れておくと、ジッパーを開けたときに滑り出てきやすいです

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容量について公式なアナウンスはありませんが、Arc'teryxのIndex 5+5を2つなんとか押し込むことができます。

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バックパネルには仕切りのついたポケットとジッパーポケット。

仕切りつきポケットは深さ15cm、幅は右が18cm、左が7cmになっています。左右端に折り返しによるマチがつけられていて2〜3cm程度の余裕があります。小さい方のポケットはiPhone5がすっぽり入る程度(厚めのバンパーをつけると微妙かも)、大きい方はiPad miniが横にギリギリ入らないくらいの大きさです(縦なら入ります)。

 

ジッパーの中はバックパネル全体に広がる広いポケットになっていて、深さは35cm程度。内部には整形用のウレタンボードがスッポリとハマっていてマチが無いため、平べったいものしか入りません。一応スライダーの引き手にコードが付けられているのでポケットとして使ってねという意思は感じられますが、ぶっちゃけウレタンボード交換用の穴をどうせならポケットにしちまおうぜ感が半端ないです。

誤解のないよう言っておくと、MacBookAir程度の小型ラップトップなら難なく入れることができます。ただしウレタンボード以外にはクッション性皆無ですので裸で入れるのはやめたほうがいいかもしれません。

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↑中身は白いウレタンボード 。修理を考慮してかほとんどのMysteryRanch製品のクッション素材はこうして取り出すことができます。

このボードもそうですが、普段目につかない部分は結構適当でして、マジックの跡やら布の裁断カスやら人毛(汗)やらが付着しています。見なかったことにしてそっと戻しましょう。

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最後にメインコンパートメント表面のフロントジッパーポケット。

ジッパーは左から右に向かって開く一方通行式で、アクセントなのかラピッドアクセスの為なのか右肩あがりに設定されています。ジッパーからの深さは中央で約25cm、内部は高さ35cm、幅25cm。このポケットもマチがなく薄っぺらいものしか入りません。メインを パンパンにすると手も入らなくなるほど薄く、逆にフロントに厚みのあるものを収納するとメインに干渉してしまうという使い勝手いまいちなポケット。

地図やタオル、東スポなどを入れておく用と思われます。

  • サブコンパートメント(ハイドレーションポケット)

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NICEフレームに接続する部分には逆L字のジッパーポケットがついていて、ハイドレーションなどを入れておくことができます。

内部は高さ50cm、幅30cmでA3用紙もすっぽりの広大なスペースを誇ります。マチはつけられていませんが、その面積の広さから中央付近なら5cm程度まで厚みを確保できます。

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3LのCamelbakがすっぽり入るよう設計されているらしく、上部にタンクをぶら下げるループとチューブを通せる穴が空いています。

一番背中に近いコンパートメントになるため、ハイドレーションの他ラップトップや書籍などの重いものを入れておくのに便利です(クッション性は皆無なので注意が必要です)。ただ構造上、開口部の上にメインコンパートメントやサブコンパートメントなどが重なってしまうためアクセスが悪く、頻繁に取り出す物を入れるのには適しません。

勢い余って人に見せづらいA3ポスターなんかを買ってしまっても、折り曲げずにそして人目に触れず収納しておくことができます。

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ちなみにCrewCabのタグはこのコンパートメントの内側についており、表記から2008年4月に製造された個体であることが分かります。シリアルナンバーは"CC"ではじまり、"◯◯◯◯-◯◯◯"という4ケタと3ケタの数字の組み合わせになっています。

 バッグ製造には女子高生(JK)が携わったようですね。

  • サブコンパートメント(左右サイドポケット)

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左右に展開するポケットは各35x15x8cmでおよそ4Lほどの用量があり、未展開時は中央にてバックルで固定しておくことができます。

ジッパースライダーは開口部両端に向かって開くよう2つ付けられています。 

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内部では展開時に内側を向く面に分厚いプラスチックが縫い付けられていて、型くずれしないようになっています。

4つのコンパートメント中最もマチが大きいため、長くて太いものを入れるのに適しています。そう、例えば虎屋の羊羹とか。 

  • メイン/サブコンパートメントのみを使用した使用例

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↑メインコンパートメントのみ使用時(約10L)。

なんだかハンガーを入れたままの背広を着ているような違和感がありますが、メインコンパートメントが小型のため見た目よりコンパクトです。

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↑メイン+サブコンパートメント使用時(約18L)。

 サブコンパートメントを抱くようにすると一般的なリュックに近い形状になります。着替えや上着などのかさばるものはサブコンパートメントを利用したほうが便利ですが、片っぽだけ空になるとバランスが悪いという欠点も。

 

今回は4つのコンパートメントに絞って紹介しました。

特定の用途に最適である事がお分かり頂けたかと思います。

 

冗談はさておき、そもそもハンティング・ロードホウリング用に開発されている為、まさにCrewCab。アメリカらしいワイルド感あふれるバックパックだと思います。しかしそこはトラックなだけあって、やはりメインコンパートメントの使いにくさがネック。この部分をA.S.A.PのようにY字ジッパーを備えたコンパートメントにすればミニバン的になってもっと使いやすいと思うのですがねぇ、、。

 

 

*1:バックル類は現行品より暗く、緑がかっていてRangerGreenに近いです